本記事はバタフライのディグニクス09Cのレビューとなります。
ディグニクス09Cはシリーズでも一番硬い44度のスポンジと微粘着のシートを採用している、異色のラバーとなります。
スペックからは扱いが難しそうな上級者向けのイメージがありますが、実際に使用したところ思っていた以上に扱いやすく、高性能なラバーでした。
記事内にてラバーの特長、使用感など詳しくレビューします。
気になる方は、是非参考にしてください!
商品紹介
品名:ディグニクス09C
メーカー:バタフライ
スポンジ厚:トクアツ、アツ
スポンジ硬度 : 44°(バタフライ表記)
色:赤、黒
価格:オープン価格
粘着力と弾みの両立をハイレベルで実現
ハイテンション効果を大幅にアップしつつも粘着性ラバーの特長が発揮される独自配合のシートと、硬めの「スプリング スポンジX」との相乗効果により、粘着力と弾みを高次元で両立。“開発コードNo.209”のツブ形状が、回転量の多いドライブやカット、台上技術やカウンターのしやすさをもたらします。粘着性ハイテンションの特長が向上した『ディグニクス09C』は、粘着性の打球感を求める選手のプレーをさらなる高みへと導きます。
バタフライ公式HPより
シートの質感や形状はこんな感じです。


シート表面は微粘着で少しペタペタする程度です。
粒は低いですが粘着ラバーとしては間隔が広く、食い込みの良い形状です。
重量は特厚でカット前で78g(保護シート込み)となりました。
中ペンでグリップから隙間を開けて45~46g、シェークの場合は48~50g程度になると思います
粘着ラバーとしては比較的軽量です。
ディグニクス09Cを使用して良かったところ
ディグニクス09Cを使用して良かったところは下記となります。
- 硬度ほどの硬さは感じない
- 高いバランス+癖のある球質
硬度ほどの硬さは感じない
バタフライ硬度では44度とテナジー05ハードより1度高いですが、思った以上に柔らかいです。
体感として40度(ドイツ基準50度)前後と感じ、ファスタークG1やラクザXより少し硬いぐらいと感じました。
ディグニクス09CはスプリングスポンジXを採用しており、従来より約14%スポンジが変形しやすくなっています。
シートが柔らかいことも相まって、カチカチの中国粘着と比べ食い込ませやすく扱いやすいです。
スピンテンションの打ち方でも問題なく、粘着を使いたいけど扱いにくさから敬遠していた人にも最適です。
高いバランス+癖のある球質
粘着ラバーは強い回転が掛かる代わりに、スピードが出しずらかったり、ミート系がやりにくいなどのデメリットがあります。
一方でディグニクス09Cはバランスが良く、全ての技術が安定するうえに質が高いです。
微粘着のシートによりボールをしっかり掴むため、引っ掛かりが非常に良いです。
表面で擦るサーブやループドライブでも安心して回転を掛けることが出来て、回転量も豊富です。
スピンテンションと比較し回転量も自然とばらつき、ドライブも沈んだりナックル気味になったりと変化が出ます。
勝手に弾む感覚がなく、ストップは止めやすく、ツッツキもよく切れるので台上技術も安定します。
ある程度インパクトは必要ですが、反発力があるのでミートも打ちやすく、大きな欠点がないラバーです。
スピンテンションを使っており、球がそろいすぎると感じている人や、+αで回転が欲しい人におすすめです
ディグニクス09Cを使用して悪かったところ
逆に微妙だと感じたところは下記となります。
- 本格派の粘着ユーザーには物足りない
- 回転の影響を受けやすい
- ラバーの力で飛ばせない
本格派の粘着ユーザーには物足りない
中国粘着のような硬さがないので、本格派の粘着ユーザーには物足りない性能と感じました。
強いインパクトでぶつけて打った時に、球離れが遅く手元に残っている感覚があり、球威が出しにくいです。
扱いやすさはあるものの、癖の大きさやボールの重さの最大値は他の粘着の方が出る印象です。
普段からキョウヒョウなどの粘着を使用している人が、さらに威力を求めて変更するのはおすすめ出来ません。
回転の影響を受けやすい
微粘着でシートの球持ちが良い分、回転の影響を受けやすいと感じました。
相手の回転が分かっている分には上書きは容易ですが、判断を間違えるとミスに繋がりやすいです。
そのため、特にレシーブで難しさを感じ、相手の回転を正確に見極める判断力が必要となります。
カウンターも回転を掛け返せれば問題ないですが、スイングが不十分だとオーバーミスになりやすいです。
ブロックでは速いボールよりは回転量の多いボールを打たれたほうが対処が難しく、ラケット角度の調整が難しいです。
総じて回転を見極める能力や、掛け返す能力があれば良いラバーですが、技術不足だと失点につながりやすいラバーです。
ラバーの力で飛ばせない
他のディグニクスに比べテンション感が弱く、勝手に飛ぶ感覚が少ないです。
回転を掛けるにも、弾くにも自分の力でしっかりとインパクトをしないと良いボールが出ません。
そのため、詰まったときや、逆を突かれてあてるだけになると棒球になりやすい点がシビアです。
守備面であってもボールを掛け返したり、プッシュするなど力を加えないと得点にしにくいので、技術がある人でないと難しいラバーです。
ラバーのテンションを利用して飛ばしたいと思っている人には不向きだと感じました。
まとめ
今回はバタフライのディグニクス09Cのレビューをしました。
性能としてはスピンテンションと粘着ラバーの中間で、スピンテンションを使っていて+αで癖を出したい人や回転量を上げたい人に最適です。
粘着としてみると扱いやすい分類ではあるものの、しっかりインパクトが出来る中級者以上でないと扱いが難しいと思います。
キョウヒョウなどの粘着の方が癖の大きさや回転量の絶対値も高いので、本格的な粘着ユーザーには向きません。
あくまでバランスの良い粘着ラバーで、穴のない堅実なプレーをしたい人におすすめです。
価格が高いのがネックですが、性能は間違いないので自分に合っていると感じた方は是非使ってみて下さい。
ディグニクス09Cの個人的評価 | |
---|---|
スピード | ![]() |
回転量 | ![]() |
コントロール | ![]() |
打球感(硬さ) | ![]() |
弧線の高さ | ![]() |