ディグニクスシリーズには回転の05、スピードの64、バランスの80、粘着の09Cの4枚のラバーがラインナップされています。
この中でも05と09Cはともに回転量の多さをコンセプトにしたラバーであり、「どっちを選べばよいか分からない」といったことはありませんか?
ディグニクスは価格も高いため、気軽に試すことは難しいと思います。
本記事では両ラバーを数ヵ月間使用した筆者が、それぞれの違いや選び方について解説します。
どちらを選べばいいか迷っている人は、是非記事の内容を参考にしてください!
性能比較
まずは両ラバーの違いをメーカースペックから比較します。
ディグニクス05 | ディグニクス09c | |
スピード | 86 | 79 |
スピン | 85 | 96 |
弧線 | 88 | 96 |
スポンジ硬度 | 40 | 44 |
シートカラー | レッド、ブラック | レッド、ブラック |
スポンジ厚 | 2.1,1.9 | 2.1,1.9 |
数値上ではより回転が掛かるのはディグニクス09Cとなり弧線も高くなっています。
逆にスピードが速いのはディグニクス05となっており、弧線も低い数値となっています。
硬度はディグニクス09Cの方が4度高く、よりハードヒッター向けなラバーとなっています。
実際に使ってみた両ラバーの違い
ここからは実際に使ってみての両ラバーの違いについて解説します。
取りにくいボールが出るのはディグニクス09C
ドライブを受けた際に取りにくいのは、明らかにディグニクス09Cだと感じました。
回転量の最大値が高いこともありますが、回転量のバラつきや伸びたり沈んだりと癖球が出るので、ブロックをするのが難しいです。
一方でディグニクス05も回転量は多く重いボールが打てますが、球質は比較的揃うと感じました。
相手にとってのやりづらさを取るならディグニクス09Cに軍配が上がります。
ミート系が安定するのはディグニクス05
ミート系の技術がやりやすいのはディグニクス05でした。
ディグニクス09Cは微粘着のシートのため、球持ちが良いのでボールを弾きにくく、ミート系が安定しにくいです。
球離れを速くするには強いインパクトが必要で、スイングが確保できる状態でないと難しいと感じました。
一方でディグニクス05は粘着が無いため、ミートした際は適度な球離れで弾きやすいです。
また、インパクトに比例して素直に飛ぶので、狙った場所に打ちやすくコントロールがしやすいです。
ドライブだけでなくミートも多用する場合は、ディグニクス05の方が良いでしょう。
インパクトにシビアなのはディグニクス09C
スポンジ硬度で4度の違いがあるので当然ですが、よりインパクトが必要なのはディグニクス09Cとなります。
思い通りのスイングが出来て、しっかりとラバーに食い込ませれた時は質の高いボールが出ます。
一方で詰まったり逆を突かれたりして当てるだけになってしまうと、回転もスピードも出しづらく棒球が出やすいです。
ディグニクス05はややオートで回転が掛かってくれる感覚があり、ややインパクトが弱くてもボールが走ります。
どちらも硬いラバーなのには違いありませんが、ディグニクス09Cの方がよりインパクトにシビアとなります。
台上がやりやすいのはディグニクス09C
ディグニクス09Cの方が勝手に飛ぶ感覚が少なく、自分の力で飛ばすラバーと感じました。
その分繊細な技術がやりやすく、ストップは短く止まり、ツッツキも良く切れます。
弾くフリックはやや難しいですが、チキータや台上ドライブなども飛びすぎず、台におさめやすいです。
ディグニクス05は軽いタッチでも弾んでしまい、ややオートで飛ぶ感覚があるので台上処理は慣れがいると感じました。
レシーブはどちらも一長一短
どちらも相手の回転の影響を受けやすく、回転の見極めが重要なラバーです。
ディグニクス09Cの方が球持ちが良い分、より相手の回転を食らいやすく、ラケットの角度や振り方がシビアだと感じました。
回転が分からない場合は上書きして返すなど、積極的なレシーブも重要になります。
ディグニクス09Cは飛距離が出にくいので、ロングサービスのレシーブではオーバーミスになりにくく、安定したドライブが打ちやすいです。
切れたサーブのレシーブはディグニクス09Cの方が難しく、ロングサーブはディグニクス05の方が難しいと感じました。
それぞれどんな選手におすすめか
ここからは両ラバーがどんな選手におすすめかを解説します。
ディグニクス09C
パワーヒッター
シートが微粘着でスポンジ硬度も高いことから、強打時には非常に重いボールが出ます。
強いインパクトを安定して出す必要があるので、ディグニクス05と比べ使用者の技術やフィジカルが求められます。
逆にインパクトが弱いと微粘着でボールを掴みすぎてしまったり、食い込ませる事が出来ずに棒球になりやすいです。
回転を掛けて飛ばすドライブ主戦型
ディグニクス09Cはフラットに打つだけでは弾みも弱く、ボールのスピードも出しにくいです。
サーブやレシーブからラリーに至るまで、全てにおいて回転を掛けて打つ意識が必要です。
回転技術が優秀な一方で、ミートやスマッシュなどの弾く打ち方はやや難しさがあるので、回転を駆使して攻めるドライブ主戦型の選手におすすめです。
両ハンドタイプ
フォア(もしくはバック)主戦型でフットワークを駆使するスタイルだと、間に合わないときは繋ぎの打ち方が多くなります。
繋ぎの打ち方は強いインパクトが難しく、ディグニクス05と比較しても棒球になりやすいです。
どの位置からでも強い回転を掛けてドライブを打てる、両ハンドスタイルのほうがラバーの性能を活かすことが出来ると感じました。
ディグニクス05
高性能+扱いやすさを求める人
ディグニクス05もスポンジ硬度40度(ドイツ基準50度)なので硬いラバーとはなりますが、硬度ほどの硬さは感じません。
また、正統派スピンテンションなのでディグニクス09Cと比べ癖が少なく、扱いやすいのが特徴です。
癖の強いラバーは扱うのは難しいと感じる方には、ディグニクス05の方が向いています。
ドライブだけでなくミートも重視する人
ディグニクス09Cに比べ、シートに粘着がないので適度な球離れでミート打ちがやりやすいです。
ドライブなどの回転系の技術だけでなく、ミートも駆使してプレーするスタイルの場合はディグニクス05の方が向いています。
フォア主戦などのフットワーク重視型
フットワークを重視するスタイルでは隙も多く、逆を突かれたり、詰まったりして十分に打てないことも多いです。
そのような場面でも、ディグニクス05の方がラバーのテンションで回転やスピードを出すことが出来るので、比較的質の高いボールが打てます。
ドライブの回転量の最大値や癖球はディグニクス09Cに軍配が上がりますが、ディグニクス05の方が安定して返球をしやすく、繋ぐことが多いスタイルにも向いています。
まとめ
本記事ではディグニクス05と09Cのそれぞれの違いや選び方について解説しました。
どちらも世界のトップ選手が使用するラバーなので、高性能なのには違いありません。
しかし、それぞれに得意な技術や苦手な技術がある為、自分のレベルやプレースタイルに合わせて選ぶことをおすすめします。
本記事をラバー選びの参考にして頂けると幸いです。