本記事はニッタクのラケット「蒼天」のレビューとなります。
蒼天は彩(いろどり)というシリーズのラケットで、「掴み」と「飛距離」がコンセプトのラケットです。
蒼天を実際に購入し数ヶ月間使用しましたので、ラケットの特徴やどんな人におすすめかを紹介します。
本ラケットが気になる方はぜひ参考にしてください!
商品紹介
品名:蒼天
メーカー:ニッタク
構成:5枚+2インナータイプ・KVC3
板厚:5.7mm
グリップ :FL,ST,CS
ブレードサイズ:FL,ST(158×152mm) CS(159×150mm)
価格:18,000円+税(2025年7月時点)
彩シリーズのテーマである「掴み」と飛距離」を両立させながら、安定感と威力を生み出す「KVC3」をインナーに配置することで、より高い弾道を生むラケットに仕上げました。
押し負けない反発力を兼ね備えながら、優れる球持ちのよさでイメージ通りのコントロールが可能に。
グリップは、手とラケットの間に隙間ができないフィット感のある形状で、力むことなくスイングできます。
ニッタク公式HPより引用
中心材の次にカーボンが配置されている、インナータイプのラケットとなります。
シェークラケットではブレードがやや大きめで、バタフライの張本智和シリーズと同じブレードサイズとなっています。
蒼天を使用して良かったところ
蒼天を使用して良かったところは下記となります。
- ボールをよく掴み回転が掛けやすい
- パワーロスせず重いボールが打てる
- ブロックの安定感が高い
ボールをよく掴み回転が掛けやすい
ファーストインプレッションはボールをよく掴み回転が掛けやすいと感じました。
採用されている KVC3という素材は、バタフライのALCよりやや硬めの印象ですが、不思議とボールをよく掴み落ちることがありません。
打点を落としたプレーもしやすく、適度な弾みで弧線を描くのでドライブの安定感が非常に高いラケットです。
インナーの中では素材感の強い打球感ですが、回転の掛けやすさに関しては木材ラケットと遜色ないと感じ、扱いやすいラケットだと感じました。
パワーロスせず重いボールが打てる
蒼天は板厚5.7mmとなっており、バタフライのインナーALCのラケットと比較し0.3mm薄い仕様です。
薄いラケットは強打時にしなりすぎてパワーロスする傾向にありますが、蒼天は全くその心配がありません。
KVC3は適度な硬さもあるので、強打時にはボールをしっかり弾き出し、威力のあるボールが打てます。
扱いやすいながらも威力が出るラケットとなっており、レベル問わず満足の出来る仕様となっています。
ブロックの安定感が高い
攻撃だけでなく守りの技術に関しても蒼天は非常に優秀です。
ボールを良く掴む性能ですが、フラットにあてた際は適度にボールを弾き出し、回転の影響を受けにくいです。
また、スイートスポットが広く、適度な弾みのため台に収めやすくブロックが非常に安定します。
攻撃だけでなく守備もバランスよく行いたい、オールラウンダーに最適な性能となっています。
蒼天を使用して悪かったところ
逆に微妙だと思った点は下記となります。
- 弾みはやや物足りない
- 好みの分かれる打球感
- 掛け返しは回転の影響を受けやすい
弾みはやや物足りない
蒼天は張本智和インナーフォースALCとよく比較がされています。
両方使ってみた感想としては、蒼天の方が張本インナーALCよりやや弾まない印象を受けました。
回転が良く掛かり重いボールは打てるものの、ボールの速さは張本インナーALCの方が出しやすいと感じました。
特に台から下がった際に難しさを感じ、ドライブの引き合いでは安定して返球出来る分、返球も多くラリーになりやすいです。
また、全体的に回転を掛けて飛ばすラケットだと感じ、弾いて打つ技術が難しいです。
ミートやスマッシュを多用する戦型であれば、他のラケットを選んだほうが良いでしょう。
一番難しい技術はフリックで、球持ちの良さと軽打時の弾きにくさが相まって、安定しにくく決定打にもなりにくいです。
台上での展開でもチキータや台上ドライブなど、回転を掛ける技術が出来ないと厳しい感じました。
好みの分かれる打球感
インナーフォースALCより板が薄い分、やや硬めの素材で弾みを上げている印象があります。
そのため、素材感が強く木材に近いような柔らかい打球感が少ないラケットだと感じました。
インナーラケットは比較的に木材に近い打球感を好む選手が多いので、人によっては合わないと感じるかもしれません。
打球感はインナーALCとインナーZLCの間のような感覚で、適度な硬さがあるラケットとなります。
掛け返しは回転の影響を受けやすい
フラットにあてるブロックでは回転の影響を受けにくいと感じましたが、掛け返しに関しては回転の影響を受けやすいです。
特に難しい技術はレシーブで、サーブの回転量が多い場合、判断を見誤ると失点につながりやすいと感じました。
また、ドライブの引き合いやカット打ちなど、強い回転のかかったボールの処理が難しく、回転を上書き出来るだけの技術が必要となります。
この点はアウターラケットの方が影響を受けにくいので、多少アバウトでも対応しやすいと感じました。
全般的に自分の力で振って飛ばすラケットとなるので、用具の力を利用して飛ばしたい人には向きません。
まとめ
蒼天はやや硬めの打球感ながらボールをしっかり掴み、非常に回転の掛けやすいラケットです。
弾みも適度で前中陣でのドライブでは非常に安定感があり、打点を落としたプレーもしやすいのが特徴です。
フラットにあてた際は回転の影響を受けにくく、スイートスポットも広いのでブロックの安定感も高いです。
一方で弾みに関してはやや物足りなさを感じ、ミートやスピードドライブで打ち抜くプレーはしにくく、後陣に下がった際の球威はいまひとつと感じました。
また、インナーラケットらしく掛け返しのプレーでは回転の影響を受けやすく、強い回転のかかったボールの処理に苦慮する場面が多いです。
バタフライのインナーフォースALCと比較しても大きな違いはありませんが、蒼天の方がより安定重視といった印象です。
弾くプレーに関してはやや難しい印象を受けたので、ミートやスマッシュを多用するプレースタイルには向かないかと思います。
非常に扱いやすいラケットとなるので、初めてカーボンラケットに挑戦する人にもおすすめなラケットとなります。
蒼天の個人的評価 | |
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スピード | ![]() |
回転(掛けやすさ) | ![]() |
コントロール | ![]() |
打球感(硬さ) | ![]() |
弧線の高さ | ![]() |