本記事はバタフライのラケット、アウターフォースALCのレビューとなります。
ティモボルALCや樊振東ALCといった人気のアウターラケットに比べ、木の密度を落とし弾みを抑えているのが特徴です。
今回はアウターフォースを実際に数ヶ月間使用しましたので、ラケットの良かったところ、悪かったところをお伝えします。
本ラケットが気になる方は是非参考にしてください。
商品紹介
品名:アウターフォースALC
メーカー:バタフライ
構成:木材5枚合板 + アリレート カーボン2枚
板厚:6.2mm
グリップ :FL,ST,AN,CS
ブレードサイズ:FL,ST,AN(157×150mm) CS(158×150mm)
価格:15,000円+税(2025年5月時点)
適度な弾みと優れた安定性
ミズノ公式HPより引用
アウターファイバー仕様のラケットの中でも、弾みを抑えめに設計。球離れのよさと安定性が持ち味の、中級者向けのラケットです。アリレート カーボンが生み出すスピードと安定性の絶妙なバランスが特徴です。
構成としては上板の次にカーボンが入っているアウターラケットとなります。
アウターフォースALCを使用して良かったところ
アウターフォースALCを使用して良かったところは下記となります。
- 相手の回転の影響を受けにくい
- ミートやスマッシュがやりやすい
- 重量が軽い
相手の回転の影響を受けにくい
通常のアウターALCと比べると打球感は柔らかいものの、アウターらしい硬めの打球感で球離れは速めです。
そのため、木材やインナーと比べ相手の回転の影響を受けにくいと感じました。
さらに、弾みが抑えめなのでレシーブが非常に安定します。
回転を見誤ってアウトになるボールでも、ギリギリ台に収まることが多いです。
レベルが低いうちはドライブを打ち合うようなラリーは少なく、サーブ・レシーブ・ツッツキなどで得点が決まることが多いです。
他のアウターの様に球威の出るラケットであっても、攻撃を行うことが出来なければ意味がありません。
アウターフォースALCは必ず使う技術で安定感があるので、このラケットの方が勝てる初中級者層は多いと思います。
また、同様の理由でブロックも非常に安定感があります。
強い回転が掛かったドライブも抑えやすく、弾みすぎないのでスピードドライブも良く止まります。
板厚があるのでしなりが少なく、相手のボールに押される感覚がありません。
カウンターに関しても好感触で、相手のドライブを食らいすぎることがなく、飛距離が抑えめなので、安心して回転を掛け返すことが出来ます。
総じて相手に打たせてからの展開も強いラケットだと感じました。
ミートやスマッシュがやりやすい
前述の通り板自体は柔らかいですが、通常のアウターと比べ板が0.4mm厚いのでしなりが少ないです。
それにより弾きがよく、ミートやスマッシュが非常に打ちやすいと感じました。
軌道も比較的直線的に飛び、初速もあるのでコースを突いた際の得点率も高いです。
軽いスイングでもボールをしっかりと弾けるので、台上フリックも好感触でした。
ドライブだけでなくミートやスマッシュなど、オールラウンドにプレーをしたい人に最適です。
重量が軽い
密度の低い板を採用しているため、他のラケットと比べても軽量です。
シェークラケットの樊振東ALCが平均90gに対して、アウターフォースは平均86gとなっています。
また、中ペンであれば平均78gとかなり軽量で、ブレードもややコンパクトなので両面に裏ソフトを貼っても振りやすくなっています。
ジュニア、レディース選手など力に自信がない人や重いラバーを貼っていて、ラケット重量に悩んでいる人にもマッチします。
アウターフォースALCを使用して悪かったところ
逆に微妙だと思った点は下記となります。
- しなりが少なく回転が掛けづらい
- ボールの重さはいまひとつ
しなりが少なく回転が掛けづらい
扱いやすく回転の掛けやすいイメージを持っていましたが、アウターらしく球離れは速く、しなりが少ないので回転はやや掛けづらいと感じました。
スイングが十分な時は良く回転が掛かりますが、振り遅れると球を掴めずにネットミスが目立ちます。
そのため、通常のアウターALCを使っている人が、球持ちを良くしようと変更するのは微妙かと思います。
硬いラバーとの相性もいまひとつで、強いインパクトが出せる人でないと扱いが難しくなります。
ロゼナやグレイザーなど、ある程度球持ちが良いラバーの方がラケットとの性能的に合っていると感じました。
また、アウターらしく軌道はやや直線的になりやすく、打点を落としたプレーがしにくいのもデメリットです。
ボールの重さはいまひとつ
中級者向けのラケットということもあり、ボールの重さについては通常のアウターALCの方が出ると感じました。
球威の出やすい硬めのラバーを貼って試打をしましたが、決め球のドライブも相手にブロックされることが多く、連打をするか変化をつけないと得点が難しいと感じました。
特に台から下がった時にボールの軽さを感じ、引き合いでは相手に押される場面が増えました。
アウターフォースALCを使う場合、前中陣であまり台から下がらずに、打点を落とさずに打った方が性能を活かせます。
頻繁に下がる人や1発で打ち抜きたい人には向いておらず、レベルが上がるとラリータイプでなければ使用は厳しいと思います。
メーカーの謳い文句通り、アウターALCとの橋渡しのラケットという印象が強く、物足りなくなったら通常のアウターALCを使用する方が良いでしょう。
まとめ
回転の影響を受けにくく、通常のアウターALCに比べ飛距離が抑えられているため、様々な場面で台に収めやすいラケットです。
ドライブだけでなくミートやスマッシュなどの弾いて打つ技術や、ブロックなどの守備技術も非常に安定します。
一方で回転の掛けづらさは通常のアウターとそこまで変わらず、インパクトが弱い人はラバーで調整したほうが良いと思います。
また、球質もやや軽めと感じ、大きいラリーを球威で打ち勝ちたい人には不向きです。
初速は出しやすいので、台からあまり離れずに前中陣での使用がおすすめとなります。
インナーラケットでは球持ちが良すぎる、アウターラケットは飛びすぎると感じる方におすすめです。
また、初めてのアウターラケットを使用する人にも最適なラケットと感じました。
アウターフォースALCの個人的評価 | |
---|---|
スピード | ![]() |
回転(掛けやすさ) | ![]() |
コントロール | ![]() |
打球感(硬さ) | ![]() |
弧線の高さ | ![]() |