本記事はSTIGAのラケット「エナジーウッドV2WRB」のレビュー記事です。
STIGAには「エナジーWRB(廃盤)」という5枚合板ラケットがあり、プラスチックボールに合わせて性能を上げたのが「エナジーウッドV2WRB」となります。
実際にラケットを購入し数ヵ月使用しましたので、良かった点や悪かった点、どんな人におすすめかを紹介します。
本ラケットが気になっている方は是非本記事を参考にしてください!
商品紹介
エナジーウッド V2 WRBの基本スペック | |
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メーカー | STIGA |
構成 | 5枚合板 |
板厚 | 5.8mm |
グリップ | FLA・STR・PEN |
ブレードサイズ | FLA・STR(158×150mm)PEN(162×151mm) |
対応力、攻守のバランスに優れた1本
自分から打つボールはしっかりと弾み、ブロック時はボールの威力を吸収する。回転がかけやすくサーブやツッツキ、ストップ等も非常にやりやすい。
STIGA公式HPより
WRBシステムにより振り抜きが良く、ボールも弧線を描きやすい設計になっているので安定性が抜群のラケット。積極的に攻めながらオールラウンドにプレーをする選手におススメ。
WRBは空洞グリップとなり、スイング時に遠心力で威力を出しやすいのが特徴です。
重心が先端寄りになるので、ラケットが重く感じやすいというデメリットもあります。
エナジーウッドV2WRBを使用して良かったところ
エナジーウッドV2WRBを使用して良かったところは下記となります。
- 適度な弾みや硬度で扱いやすい
- 安定感がありミスが減る
- 異質に強い
適度な弾みや硬度で扱いやすい
エナジーウッドV2WRBは適度な弾みで扱いやすい5枚合板です。
オールラウンドエボルーションなどの弾みが弱いラケットと、エバンホルツなどの硬くて飛ぶラケットの中間ぐらいの性能と感じました。
打球感も柔らかすぎず硬すぎずのミドル硬度で、強打時は良くしなり回転がかけやすいラケットです。
重心が先端にあるのでしっかり振ることが出来れば、5枚合板の中では威力のあるボールが出せます。
特殊素材の硬い打球感が苦手で、木材で威力の出るラケットを探している人に最適です。
安定感がありミスが減る
木材らしく球持ちが良いので回転がかけやすく、ドライブは弧線になり安定感があります。
比較的ボールが上に飛び、飛距離が出すぎないのでネットミスやオーバーミスが少なくなります。
木材らしく回転をかける技術は好印象で、サーブ・ドライブ・チキータなどの技術は非常にやりやすいです。
打点を落としたプレーも好印象で、前中陣であればプレー領域も広いのも特徴です。
また、スイートスポットが広く相手のボールも吸収しやすいので、ブロックもよく止まります。
前に使用していたカーボンラケットと比べ、ブロックで凌げる回数が確実に増えたので、守備でも有利を取りやすいと感じました。
ナックルに強い
表ソフトの人と練習をしましたが、ナックルに強くボールを落としにくいと感じました。
ボールを掴み上に飛ぶので、回転がかけれなかったり角度の調整を多少間違えても台に入ってくれる安心感があります。
相手からもナックルボールでミスが拾えないので、リスクを負って攻めないといけなく、苦しい展開が多いと言われました。
エナジーウッドV2WRBを使用して悪かったところ
逆に微妙だと思った点は下記となります。
- 大きなラリーでは威力不足
- ミート系はやりにくい
- 回転の影響を受けやすい
大きなラリーでは威力不足
安定感は非常に高いラケットですが、やはり5枚合板ということでスピードや飛距離はほどほどといった印象です。
あくまでオールラウンド系の5枚合板に+αといったところで、台から下がっての引き合いで優位に立ったり、1発ドライブで打ち抜くようなプレーはしにくいです。
回転量でミスを誘うプレーや、コースを突いたり変化をつけて相手を崩すスタイルに向いており、球威だけで点数を取るスタイルには向きません。
7枚合板やアウターカーボンに比べて威力という面では見劣りすると感じました。
ミート系はやりにくい
ボールをよく掴み、上に飛ぶのでミート系は若干やりにくさを感じました。
基本はドライブで攻めつつ、変化としてミートを取り入れる方が良いと思います。
ミートやスマッシュを多用したい人には不向きです。
同様にフリックも弾きにくさがあるので、決め球ではなくチャンスメイクをしてからドライブで攻める方が良いです。
1球ずつ回転をかけて攻める、ドライブマン向きのラケットだと感じました。
回転の影響を受けやすい
回転がかけやすい反面、回転の影響は受けやすいと感じました。
回転量の多いサーブへのレシーブや、ループドライブ処理が難しく、ラケット角度がシビアと感じました。
ドライブの引き合いもしっかりと回転をかけ返さないと、相手の回転に負けてオーバーミスしやすいです。
硬くてしなりの少ないカーボンラケットや、板厚のある7枚合板の方が相手の回転の影響を受けにくく、ややアバウトに打っても返球がしやすいと感じました。
練習相手の感想
このラケットをメインで使用したことのある、練習相手の感想です。
主にインナーフォースALCとの比較です。
- エナジーウッドの方が柔らかく球持ちが良い
- 台上のストップやツッツキなどの繊細なタッチはエナジーウッドの方がやりやすい(飛びすぎない)
- レシーブでのミスが減った、判断ミスをしても繋がることが増えた
- ナックルに強い、面を合わせれば返球出来る
- 引き合いではインナーフォースALCの方が押し負けない
全体的に安定面ではエナジーウッド、威力面ではインナーフォースALCが優れているとの評価です。
相手をしてみての感想
エナジーウッドV2WRBの使用者と打った時の感想ですが、とにかくブロックが固く、ミスが拾えないと感じました。
ブロックは確実に返球される回数が増えて、逆を突いたり厳しいコースに打っても拾われることが多くなりました。
ショートなどのナックル気味のボールに対しても、落としてくれることが減り、相手のミスで点数を取れる展開が少なくなりました。
質の高いボールを打たないと点数にならないので、プレッシャーがかかります。
また、ブロックが固いことはフットワークを駆使するスタイルだと、体力を多く消費するので苦しい展開となりやすいです。
まとめ
本記事ではエナジーウッドV2WRBのレビューをしました。
本ラケットを簡潔に表現すると攻守のバランスに優れた安定感のあるラケットとなります。
レシーブやブロックでのミスなど、細かいところでの失点を減らすことが出来ます。
一方で後陣でのドライブや引き合いであったり、大きなラリーでは若干威力不足を感じるかと思います。
前~中陣でのプレーが多く、何かに特化したものよりバランスに優れた性能を求めている人におすすめです。
ある程度のレベルまではミスをしない事が勝ちに直結するため、本ラケットが合う選手層は多いと思います。
特殊素材や7枚合板使用者には物足りないかと思いますが、5枚合板ユーザーは一度試してみてはいかがでしょうか。
エナジーウッド V2 WRBの個人的評価 | |
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スピード | ![]() |
回転(掛けやすさ) | ![]() |
コントロール | ![]() |
打球感(硬さ) | ![]() |
弧線の高さ | ![]() |